不眠症より恐ろしいナルコレプシー

ナルコレプシーは居眠り病と呼ばれる重大な病気

「不眠症」の逆、「過眠症」は「ナルコレプシー」と呼ばれる睡眠障害です。
十分寝ているにもかかわらず、日中、場所や状況を選ばず突然、強烈な眠気が襲ってきます。

筆者など、眠れないよりは寝過ぎのほうが楽だろうと思ってしまいますが、これが調べてみると大変な疾患なのです。

人間の睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら目覚めに向かっていきます。

よく、金縛りといいますが、これはレム睡眠とノンレム睡眠の切り替わりに目覚めてしまったときに、脳の体を動かす機能が眠っているため、起こる現象だとされています。

ナルコレプシーはこのレム睡眠とノンレム睡眠の切り替わりに障害が起こり、前述のように金縛りにあったり、悪夢を見ることが多いです。
また、脱力発作も起こします。笑ったり、起こったりすると、体が脱力し、倒れてしまいます。

かつては、ただの居眠り病と呼ばれていましたが、最近では様々な研究がされています。

今のところ、原因もよくわからず、決定的な治療法もないというのが現状です。
ウィキペディアによると、日本では600人に1人がこの病気にかかっているとされています。

先ほど、大変な疾患と書きましたが、突然起こるので自動車や自転車の運転中に発作が起きると命の危険にさらされます。
このため、医師からこれらの運転などを規制されることが多いようです。

筆者の場合、作家の阿佐田哲也氏でこの病気を知りました。
氏は麻雀放浪記などが有名ですが、その麻雀の途中で突然、寝てしまったりしていたそうです。
実際、その経験を作品して発表しています。また、同じく作家の中島らも氏もナルコレプシーを患っていました。

寝てもいないのに記憶がない

その症状は、前述したように突然強烈な眠気の発作に襲われるだけでなく、自分では寝たつもりはないのに、その間の記憶がない、寝ているのに何かの作業をしている、といったものがあります。
また、幻覚を見ることも多いです。

その原因は、現在の医学では詳細に解明できていません。
オレキシンという視床下部から分泌される神経伝達物質に障害があるのではないか、ということしかわかっていません。

治療はメチルフェニード、モダフィニル、ペリモンといった中枢神経刺激薬で、日中の眠気を抑制します。
また、うつ病との関係も指摘されており、抗うつ剤が使われることもあります。

ただ、これらは根本的治療ではなく、症状を緩和するだけです。
また、メチルフェニード、モダフィニル、ペリモンは肝臓への負担が高く、使用に限界があります。

周囲の理解がないのが最大の苦痛

しかし、何といっても、患者さんにとって一番辛いのは周囲の理解を得られないことではないでしょうか。
この病気は、まだ、社会認知度が低く、専門医も少ない状態です。日本睡眠学会では、ガイドラインを広く国民に公表したり、社会的認知度を高めようとしていますが、なかなか理解が得られないのが現状です。

さきほど書いたように、周囲から居眠りや怠け者という目で見られ、その精神的に大きな苦痛を強いられます。

仕事中に突然眠ってしまう。
学生さんなら、授業中に寝てしまう、友達と遊んでいる時に寝てしまう、といったことが起こるため、社会的、人間関係的に大きな痛手を負ってしまいます。
また、結婚されている方は、配偶者の理解がないと、家庭生活にも大きな支障をきたします。

今のところ、規則正しい生活を心がけ、快適な睡眠環境を作って対処していくのが最善だと思います。

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