正しい用法・用量を守れば、睡眠薬は不眠症の強い味方!

睡眠薬は怖い!?

ドラマなどで睡眠薬を多量に服用して、自殺をはかる場面があります。ドラマなどのイメージからか、処方される睡眠薬は怖いという漠然とした不安持つ人が多いように感じます。

処方されている睡眠薬は臨床試験を経て、効果が立証されています。医師の指示と用法を守れば、不眠症の改善につながっていく強い味方なのです。

私は過去に精神保健福祉士として、働いていました。患者さんの生活に関する相談に乗っていく仕事だったので、睡眠薬に関する相談はよくありました。

仕事をしていて気になったのは、「睡眠薬を間違った用法・用量」で飲んでいる人が多かったことです。睡眠薬を使ってよかった、眠れるようになったという人は、医師の指示に従い、用法と用量をきちんと守っていました。

睡眠薬は用量・用法というルールを守ってこそ、効果が現れます。まず、睡眠薬の概要について述べてから、実際にあった間違った服用例を紹介していきます。

睡眠薬の種類について

まず、睡眠薬の種類と効果を紹介していきます。処方されている睡眠薬は「ベンゾジアゼピン系」と「非ベンゾジアゼピン系」に分かれています。

ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系は、まったく違った薬だと誤解されやすいですが、働きかける場所は同じです。どちらも、喜怒哀楽を司る脳の大脳辺縁系に働きかけ、不安や緊張を鎮めていきます。

非ベンゾジアゼピン系は副作用が軽減されていますが、短い時間しか作用しない薬もあります。自己判断せずに、自分の仕事やライフスタイルや心身症状を医師に相談していきましょう。
 

睡眠薬の4つのパターン

睡眠薬は効いている時間が薬によって違います。主に4つのパターンに分かれています。
不眠症でも、寝つきが悪い「入眠困難」、夜中に起きてしまう「中途覚醒」、朝早くに目覚めてしまう「早朝覚醒」など、不眠症の種類によって、使われる薬が違います。

1.超短時間作用型

効いている時間が短いので、寝つきの悪い人に処方されます。また薬の吸収が早く、効果が現れるのが、早いとされています。

2.短時間作用型

効いている時間が、「超短時間型」より長くなります。こちらも効果が早く現れます。超短時間作用型よりは長く効くので、夜中に途中で目が覚めてしまう人によく使われる睡眠薬です。

3.中間時間作用型

効いている時間が長くなるので、早朝に目が覚めてしまう「早朝覚醒」によく使われます。
翌日に持ち越してしまうことがあるので、仕事を持っている方よりは、高齢者に使われることが多いです。

4、長時間作用型

効いている時間が長いので、うつ病や不安感が強い人に使われます。睡眠薬は不安感や緊張感を和らげて、睡眠を促す薬です。ただし、中間時間作用型と長時間作用型は、眠気やふらつきが起きやすい傾向があります。

特に高齢者はふらつきによる転倒が心配されます。めまいやふらつきが起きたら、医師に相談するようにしてください。

お医者さんに相談しよう!

睡眠薬が自分に合わないと悩んでいる人がいました。睡眠薬が長く効きすぎて、翌朝には持ち越してしまい、仕事中に眠くなってしまうとのことでした。

睡眠薬は薬によって効いている時間がまったく違います。お医者さんに相談していますか?と聞くと、全く相談していないとのことでした。診察室に入ると、なぜか無口になってしまうと笑っていました。

こちらから話さないと、医師は患者の生活リズムや仕事のパターンまでわかりません。「私は~時に起きて仕事に行くので、翌日まで持ち越したくありません。」「いつも~時に寝るのですが、何時に服用すればよいですか?」と具体的に相談しましょう。

病院に行くまではあれを話そうと、これを話そうと頭の中で思い描いていたのに、診察室に入ってしまうと話したいことを忘れてしまう人がいます。

頭の中だけで考えずに、メモや手帳にあらかじめ、相談したいことを書いておきましょう。診察の時にメモを見ながら、医師に相談することをおススメします。

ここからは間違った服用例を紹介していきます。

アルコールと一緒に飲まないで!

睡眠薬は眠くて仕方がない!と訴えてくる人がいました。よく聞いてみると、晩酌のあとに、睡眠薬を服用されていたのです。睡眠薬とアルコールを一緒に飲むことで、睡眠薬の効き目を強めてしまうことがあるのです。

お酒が大好きな方は辛いかもしれませんが、睡眠薬服用中はお酒を飲まないようにしてください。「ちょっとぐらいなら」と少しだけ飲むことも避けてください。

服用は寝る30分前ぐらいを目安に

睡眠薬を夜に飲むとふらふらする、と訴える人がいました。いつ飲んでいますか?と聞くと、寝る2時間前!睡眠薬を飲んでから、眠るまで会社の帳簿の整理をされていたそうです。そして帳簿を整理している間に、眠気が襲ってきたとのことでした。

寝る30分前ぐらいをめどに服用して、飲んだらすぐに眠ってしまいましょう。服用した直後は眠くなくても、布団に入るようにしてください。

勝手に中断せず用法や用量を守ること

睡眠薬の効果の現れ方は人それぞれです。しかし、効かないからといって、以下のようなことは絶対にやめてください。

  • 勝手に飲むことを止める
  • 決められた用量の倍以上を服用する
  • 他人に譲る、譲り受ける

これらは絶対の禁止事項です。強い副作用が起きてしまうことがあります。睡眠薬が効かない、副作用があると感じたときは医師に相談しましょう。

前にも書きましたが、中間時間作用型と長時間作用型の睡眠薬は、眠気やふらつきが起きやすい傾向があります。ふらつきが起きたからといって、勝手に中断するのは避けましょう。医師に再度受診して、副作用があったことを相談してみてください。

また、他に服用している薬との飲み合わせで副作用が起こっているケースがあります。薬を、薬局でもらう「お薬手帳」など、飲んでいるお薬のリストを医師にも見せて、相談するようにするとよいでしょう。

ネットの情報に惑わされすぎない

インターネットのブログ上で、睡眠薬についての個人の感想を載せているサイトがあります。「全然、効かない」「副作用が強い」など。しかし、インターネットでは情報を発信している人の顔が見えません。

もっと言えば、生活は見ることなんて到底できません。もしかしたら用法を守っていなくて、「効かない」と自己判断しているケースもあるかもしれません。参考にする程度に留めて、盲信しないようにしましょう。

睡眠薬は耐性ができる、だんだん効かなくなるとネットに書いていたから、と勝手に服用を止めた人がいました。医師の診断のもと、睡眠薬は症状に合わせて、変えることもできます。量を減らしていき、やめることもできます。自己判断による服用は強い副作用を招いてしまう可能性があります。

医師は、知識や経験はプロフェッショナルです。専門家からの情報はなにより信頼性があります。また、医師に相談しにくい場合は、調剤薬局の薬剤師に相談しましょう。
信頼すべきは専門家からの意見です。

睡眠薬を賢く使おう!

不眠症の症状はつらいものです。日中の集中力が落ちることで、仕事や家庭生活にも影響がでてきます。寝不足は免疫力にも影響を及ぼすとされており、風邪などを引きやすくなってしまいます。

睡眠薬は辛い症状を解決するために、長い年月を重ねて研究されたものです。医師や薬剤師に相談しながら、睡眠薬を上手に活用していきましょう。

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